logo logo_atte 日記 随筆 何処
2023-11-11 22:32:05 JST
(2023-11-11) 黒川鶏冠山、黒川金山跡。晴後曇。無雪期のみバスで行ける黒川鶏冠山へ。昨年は落合から登って丸川峠へと北から南に縦断したので、今回は柳沢峠から丹波山村へと西から東へと横断する。このルート、実は山登りではなくて山下り。柳沢峠バス停が1500mで最高点の鶏冠山が1700m、下山口が700mなので、200mだけ登ったら後はだらだら1000m下るだけである。しかも後半はバス停目指して1時間車道を歩くだけ。4時間もあれば終るんじゃないかと高を括っていた(なお、登山口まで片道4時間、往復8時間)。登山開始は9時半。霧に包まれ何も見えない。そういえば前回もそうであった。湿気の多いエリアなのであろう。ブナやミズナラの森に加えて、地面はコケも大森林を形成している。フラットで歩きやすい整備された道を進む。一週間早ければ素晴らしい紅葉であったと思われるが、残念ながら全て散った後。いつかこのコースも紅葉の時期に歩きたいものだ。鶏冠山までは順調。雲が上がって霧も晴れた。落ち葉道に陽光降り注ぐ明るい森。そして何と言っても人気のない静かな山域。バス停で降りたのはわずか3人であった。いいねぇ。見晴らし台から奥秩父の山塊を見渡して、岩稜の鶏冠神社に向かう。前回は霧に包まれていてよくわからなかったのだが、急勾配の岩場で大変だったことだけは覚えている。で、今回改めて見てみると、なんかものすごい崖ですな。ちょっとやばいぞ絶対に道を外れたらアカンなと思っていると道に迷う。おいおい、これは行けない進めないと思っていたら、背後から人の声。ホットして人影が見えた所に行こうとするが斜面が急すぎて戻れない。いやぁ、怖いよぉ、なんとか元来た道を探し当て這うようにして本来のルートに戻る。気を取り直して正しい道を進もうとするが、やはり岩に阻まれる。上方から声がして、「左から巻き込むようにして!」と声がかかる。おー、ありがたい。なんとか鶏冠神社にたどり着けました。たしか去年もA氏と一緒に来たはずなんだけど。全然覚えてなかったよ。しかし、わずかとはいえこのエリアでの道迷いは怖かった。鶏冠神社(黒川鶏冠山山頂でもある)は崖の上だからなぁ。さぁ、あとは下るだけ。晩秋の明るい森を進むのは気持ちがいいのだが、逆に言うと物凄い落ち葉の量。20cmくらいは埋もれて自分の靴が見えないくらい。そして、結果、道がいかんとも分かりずらい。とくに黒川金山跡からは谷のトラバースが多くなり、急斜面の細い道となるので落ち葉で埋もれると登山道がどこについているのかまるで見えない。幸いピンクテープが多くあるのでなんとか進めてはいるが、一部テープが100mくらい存在しない区間があるたびに道迷いである。しかも倒木が多くて、もう一体全体どちらが正しい方向やらという状態であった。GPS地図とピンクテープ、先行者の足跡、どれか一つでも欠けていたら下山出来なかったんじゃなかろうかと思う。後、落ち葉の下の浮石の存在が全く分からないのでこれもまた危険である。標高が下がって植林帯に入ると落ち葉がないだけで安心感が上がった。普段はホント嫌な植林なのに、今日は心強く感じたよ。最後、切り立った谷ながら、石垣が組まれた幅広い道となり安心していたら何ヵ所か崩落しており、そこの通過もヒヤヒヤしまくり。大きく高まいたり、慎重に崩落地際を手も付きながら横断したりと気の抜けない山行となってしまった。終わってみれば楽しかったと思えるものの、なかなかにスリリングでありました。追伸、友人の奥さんがまだ若くして亡くなったそうだ。ご冥福をお祈りする。今朝知ったことから、ずっと死について考えながら歩いていた。普段は意識しないものの死は身近にあると感じる。