logo logo_atte 日記 随筆 何処
2023-07-06 17:23:46 JST
(2023-05-21) 晴。天気がいいのは今日だけなので島を一周する。最初の目的地はキャンプ場から近い御岳(島の最高峰)。トカラにはハイカー向けの登山道はないので、登れる山は最後まで舗装路。施設(電波塔など)を建てるのに合わせて作られた林道である。その他の山にはそもそも道がないので登るのは不可能。残念だけど仕方がない。あと、山は信仰の対象になってたりもするのでどっちにしろ登れない。頂上手前で一人の御老公と出会う。「トカラで山登りしてる人を始めて見ました。」とは、五老公の言だが私からしても同じ感想。島を訪れる人の大半は釣りが目的であり、残りわずかが滞在中心の観光だろうか。聞けば78歳。元気な老人である。歩速も私と変わらないし、急坂も身軽にホイホイってなものであった。島の100名山にチャレンジ中(既に7割制覇)だそうで、そんなのもあるんだなぁと思いながら「100名山はしないのですか?」と問うと、既に100名山はおろか、200名山、300名山も終わってしまったらしい。 60歳の定年後から始めたそうだから足掛け18年に渡る偉大な記録である。私が偉いなと思うのは山を登れる体力もさることながら、年老いてなお計画を立てられる能力である。お膳立てしてくれたら登ってみようかというのは誰でもできると思う。辺鄙な籬島までの交通を考え、無理無駄のない経路を選択し、衣食住も含めて旅の計画を立てるのはそれなりに大変なのである。それをこなしていると言う意味で、私は御老公を三浦雄一郎などのテレビで有名な著名人よりも素晴らしいなと思うのである。さて、下山はキャンプ場から島の反対側である東南の方に向かう。何にもない島だけど絶景だけはいたるところにある。一応次の目的とした灯台も案の定何にもなかったけれど素晴らしい景色が拝めた。トカラは川のない小さな絶壁の島ばかりだから海はどこも綺麗です。昨日も来た集落を経由してキャンプ場に戻ればなんやかんやと歩行距離は25キロ。道中見つけたタケノコを食べて、お決まりの温泉に浸かって、日が暮れると同時に今夜もお休みの時間。